令和2年度 加賀市医療センター 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 122 46 83 81 173 221 521 1,117 1,704 434
令和2年4月1日から令和3年3月31日までの退院患者数は、延べ3,872人でした。
このうち70歳以上の方は延べ2,625人で、約67.8%と高い割合となっています。昨年も約67.1%であり、ほぼ変わらず横這いの状態が続いています。
加賀市の高齢化も進んでおり、総人口に対する70歳以上の方が占める割合が約27.9%(令和3年4月1日現在)で、100歳以上の方も50人に上ります。今後も、このような傾向が続いていくと予想されます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900xx 心不全 86 26.36 6.98 6.98 83.97
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎  79 26.38 12.66 12.66 80.54
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症  39 17.51 5.13 5.13 82.82
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 32 4.06 3.12 3.12 75.50
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 手術あり 手術処置等2なし 副傷病名なし 31 15.52 9.68 9.68 80.35
最も多かったのは、手術や心臓カテーテル検査などは行わず、注射や内服薬などで心不全の加療を行った患者さんです。高齢の方が多く、平均年齢は83.97歳となっています。平均在院日数は全国平均と比較すると、10日程長くなっていますが、心不全が治った後のリハビリや、合併した肺炎などの治療期間が含まれているためです。

二番目に多かったのは、誤嚥性肺炎の治療を行った患者さんです。この疾患は、脳梗塞などの後遺症や加齢による嚥下能力の衰えのため、食べ物や唾液などが気管内に入り込むことが原因で、呼吸症状や発熱を引き起こします。

三番目に多かったのは、腎盂腎炎や膀胱炎などの治療を行った患者さんです。この疾患は、尿道の出口から細菌が侵入し、尿路に住み着き増殖して炎症をおこしたものです。抗菌薬を使用した点滴治療を行います。

四番目に多かったのは、狭心症、慢性虚血性心疾患で、心臓カテーテル検査を行った患者さんです。急性心筋梗塞などに対する治療は含まれていません。

五番目に多かったのは、胆管結石、胆管炎の疾患で、主に内視鏡を使用した手術を行った患者さんです。術後の状態にもよりますが、一般的に入院期間は10日間程度です。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 21 5.71 6.13 0 0
150040xxxxx0xx 熱性けいれん 13 2.69 3.96 0 2
080270xxxx0xxx 食物アレルギー 12 1 2.44 0 4.83
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) - - - - -
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 - - - - -
最も多かったのは、妊娠期間短縮、低出生体重に関連する障害の患者さんです。新生児黄疸や新生児一過性頻呼吸などが含まれます。

二番目に多かったのは、熱性けいれんで入院した患者さんです。この疾患の半分以上の患者さんは、救急搬送されて入院となっています。

三番目に多かったのは、食物アレルギーの検査入院で、日帰り入院となっています。

※四番目以降のDPCコードは、年間患者数が10件に満たないため、省略します。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) 手術あり 48 5.50 4.86 0 64.33
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 43 7.79 9.08 2.33 67.23
060150xx03xxxx 虫垂炎 手術あり 23 5.70 5.44 0 40.22
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術・処置等1なし 副傷病名なし 21 19.24 16.19 0 76.14
060335xx02000x 胆嚢炎等 手術あり 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病名なし 21 8.48 7.23 4.76 67.33
最も多かったのは、鼠径ヘルニア手術を目的に入院された患者さんです。約80%は腹腔鏡下による手術です。

二番目に多かったのは、腸閉塞に対して手術は行わず、点滴等の保存的加療を行った患者さんです。腹痛や嘔吐などにより救急センターを受診し、そのまま入院となるケースがほとんどです。転院率が2.33%になっているのは、他院入院中の患者さんが、治療目的に当院へ紹介され、治療後に元の病院へ戻る方が含まれているためです。

三番目に多かったのは、虫垂の周りに膿瘍を伴わない虫垂炎で入院し、虫垂を摘出する患者さんです。約85%は腹腔鏡下による手術です。

四番目に多かった疾患は二つあります。
一つ目は、結腸の悪性腫瘍で入院し、結腸を摘出した患者さんです。手術の約80%は腹腔鏡下によるものです。二つ目は、胆嚢炎で入院し、胆嚢を摘出する患者さんです。胆石によるものが原因で、手術は全て腹腔鏡下によるものです。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 手術あり 143 51.24 25.09 7.69 83.78
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 82 26.60 18.81 12.20 79.89
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 手術あり 31 34.68 23.26 0 75.10
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 28 10.46 5.18 0 63.04
160980xx99x0xx 骨盤損傷 手術なし 20 40.25 19.06 5 85.80
当院の平均在院日数が、全国と比較して長い傾向にあるのは、急性期病棟だけではなく、リハビリを行う回復期リハビリテーション病棟などを含めた在院日数であるためです。

最も多かったのは、大腿近位骨折(股関節)で手術治療を行った患者さんです。高齢の方が転倒し骨折した際に起こる疾患のため、平均年齢は83.78歳となっています。急性期病棟で、骨折観血的手術や人工骨頭挿入術を行い、早期に回復期リハビリテーション病棟へ転棟し、リハビリを集中的に行い、寝たきり防止等に努めています。急性期病棟のみの在院日数は23.5日です。

二番目に多かったのは、胸椎と腰椎以下の骨折損傷で、手術は行わずにコルセット等で固定し、保存的加療を行った患者さんです。転倒など外部からの衝撃で、胸椎や腰椎の椎体と呼ばれる部分が骨粗鬆症などでもろくなり、つぶれてしまう「圧迫骨折」がほとんどです。早期に回復期リハビリテーション病棟へ転棟し、リハビリを集中的に行っています。保存的治療のため、場合によっては、他院へ入院目的で紹介させていただくこともあります。急性期病棟のみの在院日数は10.7日です。

三番目に多かったのは、変形性膝関節症で入院し、人工関節置換術の手術を行った患者さんです。この疾患は加齢により関節の軟骨がすり減り、関節が変形することが原因です。

四番目に多かったのは、前腕(肘から手首まで)の骨折で、手術を行った患者さんです。

五番目に多かったのは、骨盤損傷で手術を行わずに保存的加療を行った患者さんです。高齢の患者さんの恥骨骨折や坐骨骨折がほとんどで、早期に回復期リハビリテーション病棟へ転棟し、リハビリを集中的に行っています。急性期病棟のみの在院日数は18.8日です。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満※) 手術なし 重症度1(発症前Rankin Scale0~2) 28 24.11 15.64 10.71 69.07
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 26 16.92 8.18 7.69 69.54
010230xx99x00x てんかん 手術なし 22 16.36 7.48 9.09 62.45
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術あり 19 9.79 9.68 0 75.21
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 15 40.60 18.86 6.67 66.40
当院の平均在院日数が、全国と比較して長い傾向にあるのは、急性期病棟だけではなく、リハビリを行う回復期リハビリテーション病棟などを含めた在院日数であるためです。

最も多かったのは、脳梗塞発症後3日以内に入院された患者さんで、入院時に意識障害はなく開眼している状態で、エダラボン(脳保護剤)点滴を使用した場合の分類です。手術は実施せず、保存的に薬剤投与を中心とした加療を行っています。また、脳梗塞以外の合併症がない患者さんです。急性期病棟のみの平均在院日数は約13.2日で、早期に回復期リハビリテーション病棟でのリハビリを開始し、退院後に元の生活に戻ることができるよう準備を行っています。

二番目と四番目の疾患は、外傷などによる頭蓋・頭蓋内損傷で、保存的治療や開頭手術以外の手術を行った患者さんです。手術のほとんどが、慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術を行った患者さんです。

三番目に多かったのは、てんかんで発作を起こし、抗けいれん薬の投与を行った患者さんです。意識障害などの症状で、救急センターを受診し、そのまま入院となるケースがほとんどです。

五番目に多かったのは、脳出血を発症し保存的治療を行った患者さんです。高血圧が原因となることがほとんどです。血圧が高いまま放置していると、脳の血管に負担がかかり血管がもろくなって、破れることで発症します。止血剤の点滴や血圧管理を行い、しっかりと出血が止まるように治療します。急性期のみの平均在院日数は約16日で、脳梗塞の患者さんと同じように、回復期リハビリテーション病棟でリハビリを行っています。

※JCSとは、意識障害のレベル(深度)の分類法で、患者さんの状態を次のとおり三段階に分けて分類します。
●レベル3桁 100~300  開眼しない
●レベル2桁 10~30    刺激を与えると開眼する
●レベル1桁 1~3    開眼している
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120140xxxxxxxx 流産 23 1.26 2.42 0 31.91
120170x099xxxx 早産、切迫早産(妊娠週数34週以上) - - 7.62 - -
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術あり 手術処置等2なし - - 3.11 - -
120170x199xxxx 早産、切迫早産(妊娠週数34週未満) - - 21.68 - -
120100xx99xxxx 子宮内膜症 - - 13 - -
最も多かったのは、流産で流産手術を行った患者さんです。ほとんどの患者さんは、入院当日に手術を行い、その日のうちに退院となります。

※二番目以降のDPCコードは、年間患者数が10件に満たないため、省略します。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり(片眼) 76 2.95 2.76 0 78.51
020220xx97xxx0 緑内障 手術あり(片眼) - - 5.79 - -
020220xx97xxx1 緑内障 手術あり(両眼) - - 9.21 - -
020320xx97xxxx 眼瞼、涙器、眼窩の疾患 手術あり - - 3.18 - -
最も多かったのは、白内障で片眼の手術を行った患者さんです。日帰り手術から二泊三日まで対応しています。

※二番目以降のDPCコードは、年間患者数が10件に満たないため、省略します。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 26 16.58 12.87 7.69 76.04
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 11 8.73 9.12 0 77.91
080100xxxx0xxx 薬疹、中毒疹 手術・処置等1なし - - 11.29 - -
070071xx97xxxx 骨髄炎(上肢以外) 手術あり - - 34.05 - -
161000x199x0xx 熱傷・化学熱傷・凍傷・電撃傷(Burn Index10未満) 手術なし - - 12.57 - -
皮膚科に入院される患者さんのうち、病状が落ち着いている約40%の方は、急性期病棟以外の地域包括ケア病棟に入院されています。

最も多かったのは、膿皮症で入院し、抗菌薬による点滴加療を行った患者さんです。蜂窩織炎による疾患がほとんどです。

二番目に多かったのは、帯状疱疹の患者さんです。水痘・帯状疱疹ウイルスが原因で発症し、抗ウイルス薬による点滴加療を行います。

※三番目以降のDPCコードは、年間患者数が10件に満たないため、省略します。

泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 手術あり 62 10.69 8.52 0 74.23
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 39 13.90 13 2.56 77.44
11012xxx04xxxx 上部尿路疾患 手術あり 29 6.48 2.66 3.45 65.33
110070xx03x20x 膀胱腫瘍 手術あり 手術・処置等2あり 副傷病名なし 26 11.62 7.05 0 77.15
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 手術あり 手術・処置等1なし 副傷病名なし 16 9.44 5.67 0 66.81
最も多かったのは、前立腺肥大症で経尿道的に手術を行った患者さんです。

二番目に多かったのは、腎臓又は尿路の感染症の治療を行った患者さんです。この疾患は、内科の三番目にもあげられているDPCコードで、点滴治療を中心に加療します。

三番目と五番目に多かったのは、尿路結石症で手術を行った患者さんです。手術の種類は、専用の機器で発生させた衝撃波を、体外から結石に当てて破砕する「体外衝撃波結石破砕術」や、尿道から内視鏡を挿入し、レーザー又は鉗子を使用して「経尿道的尿路結石除去術」があります。

四番目に多かったのは、膀胱悪性腫瘍(膀胱がん)の患者さんで経尿道的に手術を行った患者さんです。内視鏡の先についた電気メスを使用し、患部の切除を行います。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 25 - - - - 17 1 8
大腸癌 11 21 15 15 - 23 1 8
乳癌 - - - - - - 1 8
肺癌 - - - - - 10 1 8
肝癌 - - - - - - 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
日本で最も多い5つのがん(胃癌・大腸癌・乳癌・肺癌・肝癌)の初発のUICC病期(Stage)分類別、および再発に分けて集計しています。
当院では、胃癌や大腸癌に対する治療を積極的におこなっています。
内視鏡検査などで癌の早期発見ができるようになり、StageⅠの患者さんは、ほとんどが内視鏡を使用し切除をしています。身体への侵襲が少なく、早期に退院となっています。
当院では、癌に対する診断から手術、抗がん剤治療、術後の経過観察まで切れ目無く行っております。入院だけではなく、外来で抗がん剤治療を積極的に行っています。癌疼痛管理を含めた終末期医療を過不足無く充分に行っております。

※年間患者数が10件未満は、- (ハイフン)で表しています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 87 22.34 83.40
重症 25 25.88 84.16
超重症 - - -
不明 - - -
成人の市中肺炎(医療機関外の日常生活で発生する肺炎)は、高齢になるほど罹りやすくなり、持病のある方は症状も重くなる傾向があります。当院では、中等症の患者さんが最も多く、平均年齢は83.4歳となっています。市中肺炎は、ワクチンによる予防が有効で、新型コロナウイルス以外にも、インフルエンザウイルスや肺炎球菌に対するものがあります。

【A-DROP判定とは】
肺炎の重症度を簡易に判定するための評価法です。
この評価をもとに、治療環境(入院か外来か等)を判断しています。

A(Age=年齢):男性70歳以上、女性75歳以上
D(Dehydration=脱水):BUN 21mg/dl以上または脱水あり
R(Respiration=呼吸):SpO2 90%以下(PaO2 60torr以下)
O(Orientation=見当識):意識障害あり
P(Pressure=血圧):血圧(収縮期)90mmHg以下
---------------------------------------------
上記項目ごとに当てはまる場合、1点と数え、全ての項目の点数合計をスコアとします。
ただし、ショックがあれば1項目のみでも重症とします。

スコア0  :軽症(外来治療)
スコア1・2 :中等症(外来または入院治療)
スコア3  :重症(入院治療)
スコア4・5 :超重症(ICU等で入院治療)

※年間患者数が10件未満は、- (ハイフン)で表しています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 147 41.73 75.44 13.21
その他 12 32.25 74.92 0
脳梗塞は、「発症から3日以内」に入院される患者さんがほとんどです。平均年齢は75.4歳で、高齢の方が多くなっています。また、当院では急性期脳梗塞の患者さんに対して、詰まった脳の血管内の血栓を溶かす血栓溶解療法(tPA静注療法)や血管内治療である機械的血栓除去術を行っています。血流再開は早いほど、症状が回復し、後遺症が軽くなる可能性も高くなります。
また、発症日が「その他」で入院された患者さんは、脳梗塞の発症から何らかの理由により、発症3日以内に来院できなった人数です。
当院では、回復期リハビリテーション病棟を有しており、急性期から回復期まで切れ目のない脳梗塞の治療をおこなう事が可能です。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 34 4.29 8.47 0 73.29
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 30 1.37 21.10 3.33 80.80
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 30 8.83 6.43 0 77.67
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜)(ESD) 25 1.40 6.92 0 78.52
K654 内視鏡的消化管止血術 23 1.74 14.26 4.35 70.17
最も多かったのは、カテーテル(管)を手の動脈などから挿入し、心臓に血液を送る冠動脈の狭窄部分を広げ、ステントと呼ばれるパイプのようなものを留置する手術です。

二番目に多かったのは、内視鏡を使用し、胆道の狭窄部分にステントを留置する手術です。一般的に癌の患者さんに行う処置であり、術後に化学療法などを行うことがあるため、術後入院期間が長くなることがあります。

三番目に多かったのは、内視鏡を使用し、ポリープと呼ばれる隆起性病変(直径2cm未満の小さなもの)を切除する手術です。基本的には外来で行う手術ですが、別の疾患で入院中の患者さんに対して行うこともある為、平均術前日数が長くなる場合もあります。

四番目に多かったのは、早期胃癌(粘膜内にとどまっている癌)に対して、内視鏡を使用して切除する手術です。

五番目に多かったのは、胃や大腸などの消化管の出血に対して、内視鏡を使用して止血をする手術です。出血部分を特殊なクリップで挟んだり、高周波で焼灼する方法があります。

※内科入院で行われる手術は、内視鏡やカテーテルを使用したものがほとんどで、開胸または開腹手術と比較して、患者さんの身体の負担が少なく、入院期間も短い傾向にあります。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 40 1 3.13 2.50 62.30
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 39 1.33 6.49 2.56 69.10
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 22 3.05 21.18 0 74.23
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 21 0.38 4.48 0 43.76
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 10 1.80 10 0 74.30
最も多かったのは、腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術です。鼠径ヘルニアの患者さんに対し、腹腔鏡を使用してヘルニアの修復を行う手術です。

二番多かったのは、腹腔鏡下胆嚢摘出術です。胆石性胆のう炎などに対し腹腔鏡を使用して胆嚢を摘出する手術です。

三番目に多かったのは、腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術です。腹腔鏡を使用して結腸の悪性腫瘍(がん)を摘出する手術です。

四番目に多かったのは、腹腔鏡下虫垂切除術です。虫垂炎の患者さんに対して、腹腔鏡を使用して虫垂を摘出する手術です。

五番目に多かったのは、胸水・腹水濾過濃縮静注法です。保存的にコントロールできない腹水が溜まっている患者さんに対し、腹腔穿刺によって採取した腹水を濾過・濃縮し、静脈内に点滴注入し体内に戻す治療法です。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿) 1,117 2.28 46.05 6.84 82.80
K811 人工骨頭挿入術(肩、股) 62 2.98 51.26 9.68 82.48
K0462 骨折観血的手術(前腕、下腿、手舟状骨) 49 2.24 20.82 4.08 66.51
K0821 人工関節置換術(肩、股、膝) 49 2.35 30.27 0 74.53
K0463 骨折観血的手術(鎖骨、膝蓋骨、手、足、指、その他) 11 2.36 20.45 9.09 57.55
最も多かったのは、骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿)です。骨折した部分を金属で固定し、骨をくっつける手術です。117件の手術のうち106件が大腿骨に対する手術で、平均年齢も82.8歳で高齢の患者さんがほとんどです。自宅や施設で転倒をきっかけに起こり、ほとんどの患者さんは手術による治療を行います。手術をすると早期にリハビリを開始することができ、寝たきりを予防することができます。

二番目に多かったのは、人工骨頭置換術です。62件の手術のうち58件が大腿骨頚部骨折が原因で、骨接合術で固定が困難な場合や早期荷重が必要な場合に、大腿骨頭を切り出し人工骨頭(金属製の人工物)に置き換える手術です。残りは、上腕骨頚部骨折の手術です。

三番目に多かった手術は二つあります。
一つ目は、一番と同じ骨折観血的手術ですが、前腕や下腿の部位を骨折した患者さんに対するものです。二つ目は、人工関節置換術を行った患者さんです。あらゆる疾患が原因で、痛んでしまった関節を取り除き、人工関節に置き換える手術です。他の治療法と比べると痛みを取る効果が大きいのが特徴です。

五番目に多かったのは、一番と同じ骨折観血的手術ですが、鎖骨、膝蓋骨、四肢の部位(大腿骨、前腕骨、下腿骨及び上腕骨以外)を骨折した患者さんに対するものです。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 10 0.80 22.30 10 77.60
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの)(脳内のもの) - - - - -
K1642 頭蓋内血腫除去術(開頭)(硬膜下) - - - - -
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) - - - - -
K178-4 経皮的脳血栓回収術 - - - - -
最も多かったのは、慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術です。頭皮の一部を切開し、頭蓋骨に穴をあけ、カテーテルで血腫を吸引除去、洗浄する手術です。

※二番目以降のKコードは、年間患者数が10件に満たないため、省略します。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9091ロ 流産手術(妊娠11週まで)(その他) 11 0 0.09 0 33.73
K909-2 子宮内容除去術(不全流産) - - - - -
K867 子宮頸部(腟部)切除術 - - - - -
K9091イ 流産手術(妊娠11週まで)(手動真空吸引法) - - - - -
K861 子宮内膜掻爬術 - - - - -
最も多かったのは、流産手術(妊娠11週まで)です。稽留流産(症状がない流産のこと)に対し、手術することがほとんどです。

※二番目以降のKコードは、年間患者数が10件に満たないため、省略します。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 76 0 2.14 0 78.47
K2886 緑内障手術(水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術) - - - - -
K2172 眼瞼内反症手術(皮膚切開法) - - - - -
K2682 緑内障手術(流出路再建術) - - - - -
最も多かったのは、水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他)です。白内障の患者に対して、眼内レンズの挿入を行う手術です。

※二番目以降のKコードは、年間患者数が10件に満たないため、省略します。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K841-21 経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術(ホルミウムレーザー等使用) 40 1.63 8 0 75.25
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 33 1.91 5.12 3.03 65.91
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用)前立腺手術(電解質溶液利用) 29 1.45 8.14 0 77.48
K8411 経尿道的経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用)尿管ステント留置術 25 1.88 9.24 0 73.40
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 20 0.25 12.85 0 75.05
最も多かったのは、経尿道的レーザー前立腺切除術(ホルミウムレーザー)で、前立腺肥大症に対する手術です。ホルミウムレーザーとは、内視鏡の先についたレーザーメスのことで、肥大した前立腺を切除する手術です。

二番目に多かったのは、体外衝撃波腎・尿管結石破砕術です。装置を使い体外衝撃波を体の外から当て、尿管結石を破砕する手術です。開腹や内視鏡を使った手術に比べ患者さんの体に負担がかかりません。

三番目に多かったのは、膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用)です。内視鏡の先についた電気メスで膀胱腫瘍の切除を行う手術です。

四番目に多かったのは経尿道的前立腺切除術(電解質溶液利用)で、最も多かった手術と同じで、前立腺肥大症に対する手術です。電解質溶液とは、生理食塩液のことで身体にやさしい薬剤を使用しています。

五番目に多かったのは、経尿道的尿管ステント留置術を行った患者さんです。尿道からステントと呼ばれる細い管を留置し、尿管がふさがらないようにするための手術です。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 14 0.36
180010 敗血症 同一 20 0.52
異なる 23 0.60
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 11 0.29
異なる - -
播種性血管内凝固症候群
元来、正常な血管内では、血液が凝固しないような仕組みを持っていますが、重症の基礎疾患のために血液凝固が全身の血管内で起こる病態です。

敗血症
細菌感染症によって引き起こされる全身性炎症反応の重症な病態です。入院後に発症するケースが多くなっていますが、高齢者の入院患者が多いためと思われます。

真菌症
真菌(かび)が種々の臓器に定着することに起因する感染症です。

手術・処置等の合併症
手術や処置等により、一定割合で発生してしまう病態です。術後出血や創部感染、透析シャント狭窄などが挙げられます。当院では、最も医療資源を投入した病名と入院契機病名が同一である症例がほとんどです。

※年間患者数が10件未満は、- (ハイフン)で表しています。
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