研修医症例検討会

2019.7.31 第5回 研修医症例検討会

第5回 2019年7月31日(水)17:00〜
『研修医とともに学ぶ非専門医/医療スタッフのための尿路結石診療』
担当 齊藤医師
指導 泌尿器科 朝日医師
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加賀市医療センター 第5回研修医症例検討会を開催しました。

 今回は、初期研修医1年目 齊藤 謙二 先生が『研修医とともに学ぶ非専門医/医療スタッフのための尿路結石診療』の演題で発表しました。今回も複数診療科の医師に加えて、看護師、検査技師、薬剤師、放射線技師、事務担当者など多職種に渡る計 32名のスタッフが参加されました。テーマに関連する専門医として、泌尿器科 朝日 秀樹先生が参加され、適宜コメントを頂きました。
 「非専門領域における達成目標は学生、研修医、指導医全て同じ」というコンセプトのもと、参加者全員が今回のテーマの専門医である泌尿器科医から学ぶことができました。冒頭に述べましたが、院長や多職種のスタッフが参加し"続ける"研修医カンファレンスが行われている教育病院は稀有であると思います!

 まずは齋藤先生から、自身が経験した尿路結石症例をもとに、疫学、診断、治療などについて複数の教科書を読みこなした上できれいにまとめて頂きました。
 疫学的には非典型的な症例であり、実際に現場でどのような鑑別診断を挙げて診療したか?、高齢者にみられた急性発症の腹痛であり心房細動を念頭に置いた診察を行ったか?、など的を射た質問をして頂き学びが深まりました。
 専門医への質問として、エコーで水腎症を認めた場合にCTは必要か、救急外来から泌尿器科へ緊急callするべき状況は何か、泌尿器科への再診はどのように伝えるべきか、紹介後の経過観察と治療介入のタイミング/適応はどのように行われているのか、などが挙がりました。

 いくつか重要なメッセージが得られましたので以下に簡単に記載します。


・ 尿路結石を繰り返している人は、「石だと思います」と言って受診する。しかし、"いつもの痛み"と同様か否かを病歴・身体所見から見極める必要がある。本人が「石」と考えていたものの、担当医が"いつもと違う"と感じたため造影CTを施行して上腸間膜動脈解離であった症例がある。

・ 緊急紹介の適応は、閉塞性腎盂腎炎。検出するためには膿尿の確認と、バイタルサイン。やはり、呼吸数も重要。


 研修医による研修医のためのカンファレンスですが、参加者全員が研修医と同じ目標を掲げて専門医から学ぶ機会を提供する場になるよう、今後も月1回を目標に継続して参ります。
 最後に、会の冒頭で紹介した司会者の師匠(大リーガー医)の言葉を引用します。
 "Listen to the patient. Everypatient is your good teacher. Everypatient is interesting for young doctors,no exceptions."

文責:内科・リウマチ科(研修担当) 鈴木 康倫

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